中堅社会人は、油がのった会社の大きな戦力ですが、それが故悩みもあります。
このシリーズでは中堅社会人が抱える仕事に置かれた立場とその中での葛藤を描き、
同じ境遇の人に勇気を与えます。
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どん底人生から幸せを掴んだ一般人の人生物語 新入社員~昇格
2016年4月に新規工場立上げのため異動しました。
33歳の頃でした。
立上げ業務内容は、新規工場の仕様検討や工場運営に必要なシステム、人、モノなどを揃えていくことです。
これまでは工場運転、改善業務を担当していたため新鮮でした。
少しでも良い工場にするため約2年かけてPJリーダーと一緒に検討を重ねて工場を立ち上げました。
この経験で私はゼロからものを作り上げることの難しさや楽しさを学びました。
そして工場を稼働後は、製造課長としての任に就くことになりました。
工場の製造の舵をとる重要さと難しさを感じました。
特に大変だったのは人を育てることでした。
工場を動かすのに採用した従業員の多くは工場経験のない人たちで、基本のイロハを教えながら操業をしていく状況でした。
この時は人のマネージメントをとても考えた時期でした。
また製造課長の仕事に就く中で、人との対話を通してコンセンサスを取りながら物事を進めるという自分の強みに気づくことができました。
工場で特に大変だったことは、災害が続き精神的にも、肉体的にも疲弊したことでした。
そんな中で何とかやってこられたのは、愚直に問題に取り組む性格があって、その行動が問題解決に繋がると信じ続けられたことです。
人間は自分の信念を信じれば、心折れることなく行動し続けられると、この時に思いました。
実際は製造課長時代は紆余曲折があって、悩みに悩み続けてたどり着いた自分なりの考えです。
私は仕事を通して、過去を引きずった考え方や行動を変化させてくれたと思っています。
よくありますが、うまくいっているときより、苦しんでもがいてたどり着いた自分なりの答えというのは、
自分を支えてくれる糧になるのだと思います。
器用な人ならもっとうまくやるのかもしれませんが、不器用な私には、私なりのやり方で自分を成長させることができるのだと信じています。
入社4年目の「まずは失敗してもいいから目の前のことに一生懸命取り組め」っという言葉が、今の私の姿に導いたのだと思います。
この製造課長の任につくことで、私は37歳のころに昇格することができました。
夜中に会社から1本の電話がかかってきました。
「コンベヤに足を挟まれてた!」っと。
急いで会社に駆けつけ、救急車で運ばれましたが、部下はその災害で足を切断することになりました。
自分の部下が取り返しのつかない怪我をしてしまい、ものすごく落ち込みました。
当時、工場が立ち上がって間もなく、従業員は経験不足の中でいっぱいいっぱいになって操業をしていました。
そんな心にゆとりのない状況で、罹災者はコンベアを停止せずに設備の中に入り、足を踏み外して巻き込まれてしまいました。
装置を点検するときは、必ず設備を停止させなければなりませんが、基本的なことに気が回らなくなるくらいの精神状態だったのです。
自分のマネジメントを責めました。
自分がやってきたことを悔いました。
けれども、二度と同じことを繰り返さないように、必死になって仕組みを変え、人の教育に取り組みました。
自分の中で、周りに内を言われてもブレない思いが根付きました。
この時の私の部下は、休職中して、ケガして1年ぐらいは塞ぎこんでいました。
そんな部下に定期的に会いに行き、その姿を見るたびに申し訳なさと自分を戒めることを繰り返しました。
大きなけがをして、労働基準監督署が私を被疑者として取り調べを受けました。
初めての経験で、その災害が起こるべくして起きたのかを調べられました。
なぜ災害が起こったのか?
その作業は普段からしているのか?
その作業の教育は受けているのか?
作業の力量は十分だったのか?
等々
しっかりと説明をして、分かってもらえましたが、自分の置かれた状況は改めて普通ではないんだと自覚しました。
また精神的にもかなりしんどい状況でした。
こうした状況と1つ1つ向き合い、真摯に取り組んでいきました。
そしてその取り組みが少しずつ実を結び、操業は安定していきました。
従業員の力量も高まり、働きやすい職場になっていきました。
責任者の立場となり分かったこと
位置会社員から責任者になったことで仕事に対する視座が変わりました。
具体的には
・自分の言葉に責任を持つこと
・周りは自分が思っている以上に見ていること
・周りに対しては一貫した姿勢を見せないと、周りが困惑すること
・時には妥協が必要だが、妥協を妥協と悟られないこと
・間違ったことでも選択できる意思をもつこと(状況によって)
・部下には真摯に向き合うこと(自分ヨガリにならない)
・自分が信じたことを貫く意思を示すこと
若いころはこの感覚が分からなかったですが、今の視座で当時を振り返ると、
理解できなかった上司の言動が理解できました。
責任者になると相手の気持ちを理解することも必要ですが、
相手が嫌だと感じていることを知っていても、貫かないといけないこともある。
偉くなればなるほど、メンタルをコントロールできるようにならなければいけないと思いました。
正直、自分の基本の考え方やメンタルなどは、幼少の時から変わっていないと思っています。
けれども、人生の中で真剣に向き合った経験によって、自分の根幹となる部分にいろんな肉付けをすることで、自分を守る強さを身につけ、社会に対して影響を当たられる人間になってきていると思う。
私のように、貧しく、家庭環境も良くなく、劣等感の塊のような人間でも、
自分の人生に少しでも前向きになり、周りの目を気にせずに、目の前のことに一生懸命に向き合えば、
人生は豊かになると思います。
少なくとも、私がそうであるように。社会的に周りより高い地位を築き、家族にも恵まれ、日常に幸せを感じる、
そんな当たり前のような日常を掴むことができるはずです。
私のような、人生に落胆した人たちにも絶対に光が見えるはずです。
世の中は悪いことばかりではない。自分が輝こうする意思を持てば、おのずと周りが自分を照らしてくれるようになる!!
最後まで私の人生物語を読んでくれてありがとうございました。
私は初めて自分の人生について真剣に振り返り、赤裸々に自分の内面や生い立ちを話しましたが、
この物語に対して読者の方々から少しでもコメントを頂ければ、さらに豊かな自分になるための参考にできると思います。また勇気を出してこの物語を描いてよかったと思えます。
読者が少しでも勇気づけられ、世の中で一番不幸だっと思わないようになっていただければ幸いです。
ではでは。
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