皆さんが年を取ったら受給できる公的年金について学びました。
年金について、なんとなく分かったつもりになっている人は多いです。
実は奥が深いんですよね。
私はこの単元を勉強したことで体系的に年金について理解することに成功しました。
この記事を読めば、年金の全体像(大枠)についてしっかりとしたイメージが持てるようになります。
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目次
年金制度の全体像
年金制度には公的年金と私的年金があります。
簡単に言うと、公的年金は国に積み立ててもらえるお金。
私的年金は国以外(会社や個人)に積み立ててもらえるお金です。
下にイメージ図を示します。家の1階、2階が公的年金(国民年金、厚生年金)、3階が私的年金(企業型年金、個人型年金)です。今回は、公的年金について詳しく説明していきます。(私的年金の説明のリンクはこちら)
国民年金の全体像
国内に住所を持つ20~60歳未満の人が加入しなければいけません。(強制加入です。)
国民年金の被保険者 ※2021年度保険料ベース
- 1号被保険者:
- 自営業、学生、無職など。20~60歳未満。
- 国民年金保険料は16,610円/月
- 2号被保険者:
- 会社員、公務員。要件なし。例えば高校卒業後に会社員になる人は加入。
- 厚生年金保険料は「標準報酬月額×18.30%」、「標準賞与額×18.3%」 ※保険料は事業主と従業員が折半(労使折半)
- 3号被保険者:
- 会社員、公務員に扶養されている配偶者。年齢20~60歳未満。
- 保険料の負担なし
納付期限
原則は翌月末日。
例外として、①口座振替(当月末日引落とし)、②前納(6か月前納、1年前納、2年前納)。この場合は保険料割引。
※保険料を滞納した場合は、過去2年以内分は支払うことできます。
保険料の免除と猶予(第1号被保険者のみが対象)
一言で言うと、保険料を支払う余裕のない人が対象となります。
- 法定免除
- 対象:障害基礎年金を受給している人や生活保護法の生活扶助を受けている人
- メリット:届出によって保険料が全額免除
- 申請免除
- 対象:経済的な理由(失業など)で保険料を納付することが困難な人
- メリット:申請し、認められると保険料の全額、または一部が免除。(免除額は、25%、50%、75%、100%の4段階)
- 産前産後期間の免除制度
- 対象:第1号被保険者で出産した人
- メリット:出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間の国民年金保険料が免除
- 学生納付特例制度
- 対象:第1号被保険者で、本人の所得が一定以下の学生
- メリット:申請によって保険料の納付が猶予
- 納付猶予制度
- 対象:50歳未満の第1号被保険者で本人、及び配偶者の所得が一定以下の人
- メリット:申請によって保険料の納付が猶予
ちなみに保険料の免除または猶予を受けた期間については、10年以内なら追納できます。
追納したら年金額に反映されます。
しかし免除または猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降に保険料を追納する場合は、延滞費用が上乗せされます。
※保険料を納め忘れした場合は、2年以内の分しか支払いできないのでご注意を。
コメント
私は大学に行っている間は学生納付特例制度を利用していました。ちなみに学生の所得が118万円以下なら利用できる制度です。猶予した分は10年以内なら追納できます。ちなみに追納しないとその分だけ年金額が減ってしまいます。私は、猶予した分のうち1.5年分追納できませんでした。悲しい・・・。
免除期間の年金額への反映
法定免除と申請免除期間の50%、60%など。
ちなみに産前産後免除期間は、保険料納付済期間としてカウントされます。
つまり年金保険料を納めていなくても、納めたものとして見てくれます。
公的年金の給付全体像
試験テクニックとしてここで覚えてほしいルールは、国民年金は「年金の基礎」だから「基礎」という単語が入ります。
厚生年金は「厚生」という単語が入ります。
- 老齢給付:老齢基礎年金、老齢厚生年金
- 障害給付:障害基礎年金、障害厚生年金
- 遺族給付:遺族基礎年金、遺族厚生年金
会社員は厚生年金と国民年金の両方から給付を受け取ることができます。
「老齢給付」とは、一般的に年を取ったらもらえる年金のことです。
「障害給付」とは、障害認定を受けた際にもらえる年金のことです。
「遺族給付」とは、配偶者、家族などが亡くなった時にもらえる年金のことです。
公的年金の請求手続き
公的年金を受給する場合、受給権があるかどうかを国に確認(裁定)した後、年金の給付を請求します。
年金の支給期間
受給権が発生した月の翌月~受給権が消滅した月(亡くなった月)まで支給されます。
原則として偶数月の15日に前月までの2か月分が支払われます。
マクロ経済スライド
年金額は原則として、物価や賃金の変動に合わせて改定されます。
しかし年金保険を払う人が減少したり、平均余命が伸びると年金財政は苦しくなります。
このマイナス要因を考慮して年金給付額を自動調整する仕組みのことをマクロ経済スライドといいます。
所感
年金は正直いろいろとルールがあってややこしです。
そのためまずは年金という仕組みの大枠を掴みましょう。
そのあと細かいルールを学び、それぞれのルールが何に紐づいているかを意識することで記憶に定着していきます。
このように体系立てて理解の骨組みを作ることが、記憶の定着の効率を高めてくれます。
これは試験勉強のテクニックですがとても役に立ちます。
次回はこれらの話の各論について説明したいと思います。
ではでは!
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